kazukiさんのQlip

  • kazuki Ka+z

    141ページ

    すべての動物は平等である。 しかし、ある動物は、ほかのものよりも もっと平等である。

    端的にいうと、ロシア革命おとぎ話版である。
    ある1頭のカリスマ的豚のもと、最初動物たちは一致団結して農場主を追い出し自由を手に入れる。
    しかしいつしか農場は先の豚の後を継いだ頭の良い豚たちに支配され、他の動物たちはその指示のもと働かされる。
    更にある豚は自ら育てた犬を従え敵対する豚を駆逐し、恐怖政治を展開する。
    単純明快なスローガンとスポークスマンの巧妙な喋りにより、最初に掲げられた7つの戒律は徐々にゆがめられ、動物たちは調子のいい文句につられ疑問を抱く暇もなく働かされ続ける。

    この物語は、豚=政治家、官僚・犬=軍隊・その他の動物=労働者という配役の元展開する。
    その流れは実に見事。ロシア革命の流れを端的に表現しているように感じられた。
    そして、最後に現れた状況は何か。革命のなれの果てに、誰もが愕然とすることだろう。

    • Yamanekotei
      4日前
      Yamanekotei (仮)
      だんだんと誤魔化されてゆく他の動物たちが歯痒く、でもふと見回すと自分も含めて同じ立場にいるのに気付かない事実が見えてきて、愕然としたのでした。
    • yukino-hotaru
      2日前
      yukino-hotaru hotaru
      ロシア革命とおとぎ話・・・。読んでみたくなります!
  • kazuki Ka+z

    日本へ正式な戒律をもたらすという使命を担い、遣唐使船に乗り込んだ4人の留学僧-普照、栄叡、玄朗、戒融-。鑑真の来日という歴史的事件の実現に至るまで、全く別の道を歩むことになる4人の人生を、濃密な情景描写、歴史考察とともに描き出した作品である。

    このサイトで知って読みたくなった本の一冊です。
    奈良時代から平安時代にかけて、日本の発展のために使わされた遣唐使。
    ある船は嵐に飲まれ、ある船は海賊に襲われ、無事たどり着いたとしても再び国土を踏みしめることが出来るかは分からない。
    そんな危険な賭けに臨み唐と日本を行き来した多くの日本人たちが、確かに存在していた。
    その多くは歴史に名を残していない。しかし、彼ら一人一人の運命が積み重なって、古代日本-すなわち今の日本の基礎が形作られた。
    そんな歴史の壮大さを、この本は感じさせてくれると思います。

    • yukino-hotaru
      2日前
      yukino-hotaru hotaru
      この作品、大好きです。井上靖さん独特の美しい文体で静かに語られる描写が特に。時々読み返しては、歴史の壮大さに絡みつく、人生の儚さとか不思議さみたいなものをしみじみかみ締めます。
  • kazuki Ka+z

    越後に流され、流刑の身として新たな生活を始めた親鸞。ここでも彼には、様々な奇妙な出会いと別れが待っていた。

    ここで親鸞は、念仏と真っ向から向き合うことになる。自分の信じてきたものが真か偽か、時に確かなものを見つけたりと勢いづくもののその都度過ちに気づき、常に迷い続ける親鸞。この過程があったからこそ、親鸞は師の教えをそのまま引き継ぐのではなく、「浄土真宗」という新たな道に目覚めることになったのだろうか。
    後、登場人物がいちいち個性的。著者の創意がふんだんに盛り込まれている。これらはすべて、何かを暗示しているのだろうか。その意味はまだ理解できていない・・・。
    これから下巻に入ります。

  • kazuki Ka+z

    109ページ

    別に後ろ暗い話でもないのに、馬鹿げたことだ。
    そう思ったら笑いが漏れて、それに気付いたのか千反田が訊いてくる。

    4巻で一つの区切りを迎え、2年生となった古典部員達の新学期が始まる。
    そこに現れたのは新入部員の大日向。しかし彼女はある日突然入部を取り止めてしまった・・・。折木奉太郎は、マラソン大会を走りながら推理を始める。
    このシリーズのコンセプトは「日常の謎」だそうだが、見事にぶれない。謎は謎でも、高校生活に有ってもおかしくない謎。その微妙なラインをクリアしつつ、今作は更にレベルが上がっているように感じた。
    話の運び方も面白い。マラソン大会道中と奉太郎の回想を行ったり来たりしながら話が進み、マラソン大会で狙って遅れることで古典部員そして大日向から話を聞いていく。距離をまさしく概算しながら進む奉太郎は言う、「暢気に走っている暇はない」と。流石である。
    そしてQlipしてみたこの言葉。青春ミステリーとしてますます勢いを増す古典部シリーズ。続きが楽しみである。

  • kazuki Ka+z

    403ページ

    このとき、俺はかねて抱いていた疑問について、一つの答えを得た。

    古典部シリーズ4作目、最初これが短編集と聞いて僕はとても微妙な気分だった。
    話にひと段落着いてからの短編集、どうせファンサービス用の話が散りばめられた統一感の無い作品なのだろうと邪推してしまったのだ。しかしその推測は良い意味で裏切られた。
    やっぱりこの古典部シリーズは、奉太郎の成長を描く物語だったのだ。古典部の1年を短編集という形でなぞったのも、その変化を最も効果的に示せる方法だったからなのではないかと思う。

    というわけで、古典部4人の距離がジリジリと変わりつつあることがはっきり分かる4巻。青春ミステリーという言葉が実によく似合う作品だと思います。

    • kazuki
      約1ヶ月前
      kazuki Ka+z
      端的にいうと、奉太郎は灰色から順調に薔薇色に染まってきていますよ、と言う話である。
  • kazuki Ka+z

    バスティーユ牢獄が、市民の手により陥落した。これは即ち、アンシャン・レジームの敗北であり新たな時代の始まりである・・・と見える。
    しかしそうすぐに世界が変わるわけではない。ミラボーは考える。これをただの暴動で終わらせてはならない。どうすれば革命を革命たらしめられるのかを。
    歴史は彼の勝利とはならなかったが、彼がもし生き続けていたら世界はどれだけ変わっただろう、と思わざるを得ない。

    4月8日現在7巻まで出てるようだけど追いつけなさそうだ^^;

  • kazuki Ka+z

    349ページ

    「データベースは結論を出せないんだ」
    摩耶花が、寂しそうに笑った。

    1作目「氷菓」から大きなテーマとなっていた神山高校文化祭-「カンヤ祭」が遂に開幕。
    再出発した古典部最初のイベントに立ちはだかるは、不良在庫の山…?
    そして文化祭の裏で暗躍する怪盗「十文字」。古典部はこの不届き者の正体を突き止められるのか、そして文集「氷菓」を捌ききることが出来るのか!?4人の部員が各々文化祭を縦横無尽に駆け回ったり駆け回らなかったりする、山場の3巻。

    今回の主役は里志だろう。1巻からここに至るまでの、安楽椅子に留まるのかと思いきやしっかり働く奉太郎の変化にどこか焦りを感じる里志。その心の動きが今回の書き方により強く感じられたのと、今までうやむやになっていた里志と摩耶花の関係がやっと分かってきたのがそう思う要因だ。
    この話のメインである「十文字」についてはご都合主義的な面が目に付いてしまって微妙な気分になったが、青春ミステリーと捉えれば十分面白い作品だ。
    でもやっぱり皆大人び過ぎている。特に入須先輩。

  • kazuki Ka+z

    とても秀逸なSF短編集。
    私たちの世界に異世界の要素が組み込まれたような世界を舞台に、物語が展開していく。例えば天使が天災のように降臨してくる世界、宇宙人が接触してきた世界、はたまた「美醜失認処理」という技術の導入をめぐるドキュメンタリーなど。
    私たちと同じ感覚を持った登場人物達の目を通じてSF世界にどっぷり浸かる事の出来る、読みやすいのに濃い作品である。
    表題作「あなたの人生の物語」は、突然宇宙人が地球人に接触してきた世界で、彼らと分かり合おうとする研究者を主人公とした作品。
    最初は『星を継ぐ者』のような展開であったが、話が進むにつれて主人公ルイーズが段々宇宙人の感覚を理解し導入している様子が分かり、最終的にこの話は彼女がその感覚を用いて書いていたのだ、という事が分かる。気付くと自分の感覚も少なからず引っ張られている事に驚かされるだろう。
    私の文章ではあまり魅力が伝わらないのはとても残念なことだが、とても面白い作品が揃っているのでSFを読まない人にもお勧めだ。

  • kazuki Ka+z

    ミラボー、ロベスピエールに加えデムーランというアクターが登場、革命の口火が切られます。
    市民という存在の恐ろしさを貴族や王が段々認識しはじめる様子が面白い。
    3巻のバスティーユへと、序盤の盛り上がりが最高潮に達する2巻です。

  • kazuki Ka+z

    中々面白かったけど、どうしても向日葵の咲かない夏と比較してしまう・・・。クライマックスへの持っていき方は相変わらず見事である。しかし小さく纏まってしまった印象。

    そしてこの作品の解説は必読。もう一つのオチが読者を待っています。