愛すべきヘタレ野郎を書いたらピカイチの小説家・森見登美彦さんが、彼自身をモデルにした三十路手前男を主人公にして、事実と虚構と妄想をぐちゃりと混ぜ合わせて書いた、随筆風小説です。
将来に迷える若手作家(主成分:ヘタレ)の、多角的経営構想。一瞬だけ壮大にすら思える計画はその実、なんとなくやみくもに愛する竹林を使って兼業をしようと思い立った、根性ナシ&自己管理能力皆無のダメ野郎が、手始めに知人宅所有の竹林を刈らせてもらうのに友人や編集者など身近な人々を巻き添えにすることでした・・・。
物語の最初から最後まで、ヘタレ野郎が様々な煩悩丸出しで、ただただ愛すべき竹林を刈るためにジタバタする話であり、森見さん自身が敢えてほのめかすように、とりたてる大きい内容があるわけではないのですが、絶妙に混在する虚&実、強烈な妄想、そして、森見さん特有の軽妙な語り口があいまって、いい味がでています。
主人公の主成分がヘタレなら、本文の構成物質は、①現実逃避、②彼がやみくもに愛する「竹林」、③妄想、④個性的な協力者たち、⑤詭弁、そして、⑥あまりに少々すぎる「美女」(タイトルに入ってるのに)、でしょうか。
クスッと笑えて、かつ、(良い意味で)とってもアホくさく読みやすい作品なので、軽い気持ちで笑いたいときなどにオススメしたい作品です。
