日本全国を歩き回り、各地の民間伝承を伝承者(老人)から聞いたものをまとめたものである。各地のむらの様子や農業、漁業などのことが伝承者の伝記的にかかれており、非常におもしろい。特に「土佐源氏」の章に出てくる老人の話は創作ではないかと疑われたほどのおもしろさである。
民俗学というと取っ付きにくい感じがあり、また50年以上も前に書かれたもので、各地の方言も多く読みにくいが、普通に読み物としておもしろい。
また、楽しみのほとんど無かった時代の話だとはいえ、夜這いの話が多く、昔から日本は性に対して寛容な国だったのだなということがよくわかった。

「土佐源氏」はこの書の著者宮本常一氏が土佐地方のある橋の下で生活をしている盲目の老人から聞いた半生の話をまとめたノンフィクションです。
私は今回初めて知りましたが、この話は俳優の坂本長利氏が40年以上にもわたって一人芝居の公演をされており、ご存じの方も多いみたいです。
ただ、この「土佐源氏」は、本当はもっと長い話らしいのですが、聞いた話をそのまま全部書くと性描写があまりにも過激になりすぎ、発禁になる畏れがあったため、聞いた話の一部だけしか書いていないみたいです。